絵本業界の将来性ってどうなの?
読み聞かせによる教育に非常に興味のある僕ですが、絵本の市場って今度どうなっていくのか興味が出てきたので、自分なりに調べてみることにしました。
まず、出版業界の状況は?
出版業界って、縮小傾向にあるイメージです。僕自身、実物の本を購入することが少なくなり、漫画を買う場合はキンドルで購入してしまいます。どうしてもキンドルに出ていなかったり、電子書籍化されるのを待っていられないときのみ本屋に行って購入しています。
ですので、自分の実感としてもやっぱり今後、市場は小さくなっていかざるをえないんじゃないかなと思います。
出版業界の売上推移を調べてみました。すると、出版物の販売額推移を表しているこちらのサイトがありました。それによると、2000年に約2兆4000億円あった販売額は、毎年順調に減少し2014年には約1兆6000億円にも下がっています。
雑誌の販売と書籍の販売に分けると、雑誌の販売のほうが下落率が高いものの、書籍の販売額も年々着実に減少していることがわかりました。
一方でこちらのサイトによりますと、電子書籍の売上は順調に増えているようです。紙媒体の書籍は一定の需要こそ残ると思いますが、電子書籍の勢いはすごいですね。最近ではキンドルアンリミテッドというサービスも出て、載っている書籍は読み放題といったものまで出てきています。
絵本の売上推移は逆に上がっている?
一方で面白い記事を見つけました。
http://www.garbagenews.net/archives/2101334.html
少々気になる動きが見受けられた。具体的には「児童書」で特記すべき動向が確認できる。直上でも触れている通り、総売り上げに対するシェアは大きくないものの、わずかながらもシェア・売上共に増加している様子がうかがえる。(出典:出版物の分類別売上推移をグラフ化してみる(2016年)(最新))
出版物のうち、2006年から2015年にかけて売上が伸びたのが唯一、「児童書」であったという記事です。その背景としては、
- 個性派の台頭
- 教育への関心の増加と読み聞かせ効果の世間の理解
- プレゼントとしての対象
といったことがあげられるそうです。
納得できる部分があります。最近では、絵本作家として、キングコングの西野さんなどはよくメディアで取り上げられていますね。
- 作者: にしのあきひろ
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2016/10/21
- メディア: 単行本
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また、本屋で教育コーナーにいけば必ずおいてあるのが、絵本の読み聞かせ。僕としても我が子にたくさんの絵本を読んであげたいと思っています。こうした絵本の読み聞かせの効果が世に当たり前のように出回っている為、早期教育の一つの手法として、児童書への投資がブームになっているのかもしれません。
大人向け絵本も続々登場
絵本の市場は子供だけのものではありません。中高生や大人向けの絵本もどんどん出てきています。子供頃になんとなく面白かった絵本を大人になって改めて読んでみると、「こういうことだったのか」と新たな気づきを得られることも少なくありません。
こんなことを書いていたら、高校生のときに読んだ「あらしのよるに」をふと思い出してしまいました。
- 作者: きむらゆういち,あべ弘士
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2014/09/02
- メディア: 単行本
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狼と羊の物語ですが、友情が芽生え、泣ける場面もありました。
大人も絵本を読む時代になりました。そういう社会的な動きも含めて、児童書の売上は落ちることなく、むしろ上昇しているのだと思います。
絵本の歴代売れ筋ベスト5
絵本の売れ筋をみると、昔から人気のあった絵本が常に上位にきています。
1位 いないないばぁ(1967年) 469万部
2位 ぐりとぐら(1967年) 430万部
3位 はらぺこあおむし(1976年) 323万部
4位 てぶくろ(1965年) 281万部
5位 ぐりとぐらのおきゃくさま(1967年) 254万部
どれも懐かしい絵本ばかりです。「てぶくろ」は読んだことありませんでした。これは子供に読んで聞かせるときに楽しみにしておきます。
絵本の電子書籍は?
最近ですと、絵本の電子書籍も少しずつ普及し始めています。例えば絵本ナビというサイトでは、スマホやタブレットで絵本が読み放題になるサービスを提供しています。また、通常の絵本のネット販売もしていて、絵本を全ページ試し読み出来るサービスもあります。
[btn]絵本ナビを見てみる[/btn]
絵本は実物派という家庭はまだまだ多数派かと思いますが、タブレットのメリットは本を置く場所を取らないこと。いつでもどこでも絵本を読めることだと思います。また、電子データだと、絵本のキャラクターを動かしたりすることも出来ますから、小さい子供にはいい知育教材にもなります。
最後に
絵本業界は、出版業界の中でも少し事情が異なるようです。大人向けへのマーケット拡大、知育教材としての側面など、将来的にも急激ではないものの成長の余地はあると思います。
僕としては、往年の名著ももちろんですが、新しい面白い絵本を少しずつ発掘していければと思っています。