もじさんぽ

絵本の読み聞かせと育児を楽しむ日記

ダウン症検査を受けました

ダウン症検査について実際に受けてきました。

妻が妊娠12週に入る頃、まだ駐在員として海外にいました。その国では、現地の方はほぼ100%ダウン症検査をしています。僕たちが受診していたのは日系の病院なので、ダウン症検査は任意でしたが、妻と話し合った結果、受けることにしました。

検査内容

羊水検査という検査方法はよく知られていますが、僕たちが行った検査はFT Screeningというものでした。これは血液検査と超音波検査を行って総合的にどのくらいの割合で異常があるかを判断するものです。12週前後に実施します。精度は90%程度とのことです。また、ダウン症は染色体の21番目の異常ですが、このFT Screening検査では、13番目と18番目の異常(ともに心臓疾患の確率が高まる)についても判定することができます。費用は日本円で約2万円ほどでした。

もしもこのFT Screening検査で陽性となってしまった場合には、羊水検査を受けることもできると説明されました。羊水検査は16週前後に行うもので、FT Screening検査から少し時間が空きます。羊水検査ではほぼ100%の確率で陽性かどうかが判定される一方で、子宮に針を刺すため、0.5%ほどの流産の確率があるとも同時に説明されました。

ほぼ11週時点での定期検診で上記のことを説明されました。もしも検査を受けるか受けないかについてしっかりと夫婦間で話し合っていなかったら面食らっていたかもしれません。ダウン症検査の同意後、妻は血液検査のための血液採取を行い、その日は終了しました。

検査当日

ダウン症検査用の超音波検査は、日系の病院では検査を受けることはできないので、別の現地の病院を紹介され、そちらに向かいました。当日、実際の超音波検査は、普段受けているものとあまり変わらないやり方でしたが、若干機械が違っていて、現地医師はいろんな角度から胎児の長さを測定していきました。およそ20分くらいずっと測定していて、重々しい空気のまま測定を見守っていました。

測定が終わると一旦、診察室を出て、結果を待ちます。そして、ようやく結果を医師と確認しました。特に問題なし。

染色体21番の異常の確率は1100分の1、18番については13000分の1、13番については20000分の1以下という結果になりました。

いずれも羊水検査を受けるに値しない数値とのことで、羊水検査はしないことに決めました。

検査を受けることについて

無事何もなく終わったわけですが、そもそも受けるか受けないかについては妻と真剣に話しました。

ダウン症だとわかった場合に中絶するかについて話しました。検査日までに確固たる決断はできませんでしたが、

  • ダウン症として産んでしまって、きちんと育て上げる自信がない
  • 金銭的な不安。今のお金でやっていけるのか
  • 自分たちが死んだ場合に子供が一人で自立して生きていけるか

といった点から、中絶するという結論を一応出した上で検査に臨みました。仮に中絶する決断を出来なくても産まれる前から覚悟することはできるとも考えました。

[blogcard url=“http://mainichi.jp/articles/20160425/k00/00m/040/119000c”]

検査で異常が確定して妊娠を続けるかどうか選択できた人のうち96.5%にあたる334人が中絶を選んでいたことが分かった。

検査を受ける前にこのようなニュースを一緒に見ていましたが、「異常があった場合に中絶をするために検査を受けたのだから妥当な数字だ」と思っていました。でもいざ検査を受けてみて、もしも異常が発覚した場合に、もともと決めていた通りに冷静に判断することはすごく難しいことだと思いました。

中絶をすると場合によっては二度と赤ちゃんを産めなくなってしまうこともあるくらい、体への負担が大きいものと聞きます。おそらく、この96.5%のご家庭も悩みに悩んだ末、中絶を決断をしたんだと思います。本当に、各家庭でしっかり話し合っておくことが重要だと思います。

最後に

この検査をしたからといって、ダウン症を持って生まれないからといって、他の障害をもたないとは言い切れません。生まれてから分かる障害もあるでしょうし、健常な赤ちゃんでも肺炎を拗らせて脳を傷つけてしまい、障害児となってしまうケースもあります。なので、ほんの少しの確率を減らしたに過ぎません。

それでも、我が家の場合は結果的に受けて良かったと思います。それは上にも書いたように、もし何かあっても覚悟ができるからです。覚悟するのに時間がかかる、我が家に向いていたと思います。

家庭それぞれだとは思いますが、誰かの考えるきっかけになれば幸いです。