もじさんぽ

絵本の読み聞かせと育児を楽しむ日記

プログラミング教育について考えたこと

プログラミング教育について最近ネットのニュースを読んだので、思うところを書いてみたいと思います。

 

教育テスト研究センターという機関が、「プログラミング教育の現状についての考察」という小論文を発表しています。以下のサイトから誰でも閲覧可能です。

http://www.cret.or.jp/dissertation/

 

読んで、ポイントだと思ったのは、以下2点。

  1. 人工知能やIoT化が進む現在、コンピューターがどのように動いているのか、どうしたら動かせるのかというリテラシーを得ることと、正しく動かすための論理的思考力、あるいはプログラミング的思考を養うことが重要
  2. 小学校教育では、論理的思考力を伸ばすためにプログラミングの授業を取り入れている

 

何を感じたか

僕が昨今のプログラミング教育の流れを見て感じるのは、将来を担う若者に身につけさせたい能力って、「論理的思考力」とか「プログラミング能力」なんでしたっけ?違うんじゃないですか?ということ。

 

僕の意見は、単純労働が機械に取って代わる世の中で、ゼロから何かを生み出せる能力とか、アイデアを形に出来る力がより大切になっていくから、そういうクリエイティブ思考を身に着けさせることが教育では必要なんじゃないかということです。

 

理系文系は関係ないと思っています。そこに価値があれば何でもいい。もちろんシステムでもいいし、機械でもいいけど、小説だって、漫画だって、音楽だって、何かを作り出す作業をして初めて生み出されるものであって、「価値を創造できる力」というのを、子供の嗜好に沿って伸ばしてあげるのが大切なんじゃないかと思います。

 

何を作りたいか次第

論理的思考力というのは、そういった価値を生み出す際に特定の分野で必要となるツールであって、その能力そのものが使えるというものではないです。「こんなものが作りたい」という思いがあって、じゃあそれがたまたまプログラミングをする必要があるもので、プログラミングをするためには論理的思考力が必要だねという話です。

 

「こんなものが作りたい」というのを出せない限り、論理的思考力は効果的に使えないかもしれない。

 

絵を描く

例えば子供に絵を描く力をつけさせたいと誰かが言い出して、いきなり「デッサンとパースを学びましょう」と始めても、その子には何にも響かないでしょう。ましてその子が絵にまったく興味がないのであれば猶更。

 

例えば、別の子には大好きなゲームがあって、「ゲームに出てくるカッコいいモンスターを描きたい」という思いが芽生えたとします。そこで初めて大人が「デッサンのスキルだったり、パースの仕組みを理解したほうがうまく書けるよ」とアドバイスすることで、その子が描きたい絵を描くために必要なことが明確になっていくんです。

 

ワクワクする完成品を子供に見せて、作りたいと思わせる

とすると、教育側から音頭を取って進めるためには、まず、子供に夢を見せなくちゃいけない。「こんなもの僕私も作ってみたい」というワクワクする夢を。

 

「このゲームすごいでしょ!プログラミングを身に着けたらこんなすごいものが作れるんだよ」

「この音楽、カッコいいよね。作曲にもルールがあるんだよ」

「この料理美味しいね。これはコックさんが自分で味付けを生み出したんだよ。」

「この建物かっこいいよね。でもこれを設計するにはたくさん難しい計算をする必要があるんだよ」

 

小中学生から将来やりたいことを確定させてしまうことは出来ないと思うし、確定させないで幅を広げてあげることが重要だと思うんですけど、どんな教育にしろ、まず、ワクワクする部分をいかに見せて、本当にすごいものを作るにはこんな知識やスキルが必要なんだということを教えてあげると、学校教育がいかに役に立つものであるかがよくわかると思います。

 

親が見せてあげること

とはいえ、学校教育では、僕自身の経験として、夢を見せることはあまりしてもらったし、「とりあえずいい大学行け」とか、それぞれの教科がどんなワクワクにつながっているのか見せてもらうことはなかった。

 

だから親が担っていくべきところなのかなと思う。

 

僕は、日曜プログラマの端くれとして、ぽつぽつと作りたいものを作っている。プログラミングでこんなことが出来るよと子供に見せることは出来る。

 

機械やロボット、システム、建造物などは、高度な数学や物理法則、化学なども知識として持っていないと、自分が作りたいと思ったモノを作れないんだと説明することも出来る。

 

学校で習う授業をすべてちゃんと勉強していれば、将来作りたくなったものを最速で作る助力になると説明できる。こういうことを教えてあげるのが、親の役目なのだろうと思います。

 

なんでもいいけど、クリエイティブな思考を持つ子どもになって欲しい

何かを生み出すってすごく難しくて、大変で、苦しいことだと思います。でも、これからの時代、いい大学に行ってもいい人生を送れるわけじゃないと思いますし、学歴も少しは重要だと思うけど、大事なのは「何かを作り出す意思」だと思うんですよね。

なので、うちの子供には特に大学に行けとは言いませんけど、高校卒業するタイミングまでに、ワクワクするものを作るという夢を持って、そのために必要な進路に行ってほしいなと思っています。

その中で必要であれば、高度な専門知識や同じ気持ちを持っている同志と会うために大学に行くという選択もすると思います。

 

なんかずれてきたのでこの辺で。

プログラミング教育の話から、うちの子供の話になっちゃいましたけど、書きたかったのは、学校教育って将来の日本のためにちゃんとその辺考えてるの?ということと、考えてなくて、結局小手先のツールだけ学ばせる方向なのであれば、親が代替して伝えていかなくちゃいけないなと思ったということです。

 

駄文失礼しました。それでは。