「とりあえず大学にいけ」と言っちゃいけないと思った
ネットで話題になっていたまとめを見て感じたことを親の立場で書きます。
対象はこちら。
「勉強がいやならやめればいい」という意見には賛成です。その上で考えたことを書いてみます。
大学以外の選択肢を与えられるか
この問題の根源にあるのは子供が大学に行く以外の選択肢を持っていなかったことだと思います。また、それ以前に子供が将来大人になってどんなことをやりたいかという夢を持っていないという問題もあります。
夢を持っている人は、それになるためには何をしなくてはならないか能動的に調べることができます。大学のとある学部に入らなくちゃいけないかもしれないし、専門学校に行く必要があるかもしれません。あるいは、レッスンに通ったり、留学をしたいと言い出すこともあります。
これらの行動は夢がまずあっての行動です。
夢がない人はどうするかというと、「とりあえずお手頃な興味ありそうな大学に行く」という選択肢しか持っていないのです。
こういうモチベーションで大学に進んだ子供は、授業を受けても「想像していたのと違った」とか「実はあんまり興味なかった」といった、現実と想像にギャップが生まれます。
本人も大学に進んで「もしかしたら大学に行けば夢が見つかるかも」といった考えがあったかもしれませんが、結局夢が見つからず悪循環から抜け出せません。
だから高校生のうちに大学に進む以外の道はどんなものがあるかをよく子供と話し合っておく必要があると思います。
大学以外の選択肢は?
夢がある人のことは今は置いておいて、夢が見つからない状態でざっと思いつくものを挙げてみます。
- 海外バックパッカー
海外にとりあえず行ってみて、そこでやりたいことを探してみればというのもあり。僕自身、海外に行って日本からでは見れなかった視点を見れたなと感じました。とりあえず海外に出てみるというのは一つの選択肢だと思います。
そのためには高校時代にたくさんバイトをしてお金をためておく必要があります。親としても大学受験用のお金は用意しておきますからそれを使ってくれてもいい。 - ざくっと興味のありそうな専門学校に通う
それになりたい!という明確な目標がなくても「なんとなく興味ありそう」レベルで専門学校に通うという選択肢もあるよということを言いたいです。専門学校ってほとんど2年以内に終わるので、合わないと思ったら大卒の人が卒業するまでにもう一つやり直せるかもしれません。 - 職業訓練校に通う
日本にも国が整備している職業訓練校はあります。その中で、興味のありそうな技能を身に着けるのもいいでしょう。少なくとも大卒よりもスキルを持った人材になりそうですし、そういう訓練校は国が就職支援等もサポートしているので就職に困ることはなさそうです。
大卒ステータスが意味なくなる時代
我が家の赤ちゃんが高校を卒業する頃、大卒のステータスというのは全く違ったものになっていると思います。そもそも国立大が理系学部だけに絞ろうとしていたり、大学の編成もどうなっているかわかりません。
会社で採用の担当をしたこともありますが、学歴だけで選ぶ時代は終わらせ、スキル重視の海外型の採用にしないと能力ゼロの人材を大量に育てる体力がなくなるんじゃないかと思っています。そんな企業がどんどん増えていくんじゃないかな。
とにかく、今の就活事情はリクルートが作ったスキームに乗っているだけなので、あと15年もしたらまったく変わっている可能性もあります。
大卒ステータスは超専門性を高めた人だけが得られるステータスとして認知されなおされることを期待していたりもします。
会社員以外の働き方
事務員とか工場作業員とか、ロボットに置き換わる職種はたくさんあります。また、昨今個人のクリエータが簡単に世に出てこれるインフラが整いました。趣味で作曲していた人がメジャーデビューできる時代です。
「なにかを生み出せる」能力を持っている人が正当に評価され、生きていける時代なのだと思います。
絵描きでも、作曲家でも、工芸家でもいいのですが、価値を自ら生み出せる力というのがもっともっと重要視されてくると思います。
それであれば、幼少期のころから創作する楽しさを教え、会社員に落ち着く道をあまり見せないように育てるということもできます。
子供の知的好奇心や創造する楽しみに出来るだけ関与し、「個人で稼ぐ力」をつけさせる方が、大学に進学するよりも重要なんじゃないかなと思います。(子供の夢次第ですけど。)
最後に
15年前にネット社会がここまで進化するなんてわかりませんでした。
現在からさらに15年後に日本がどうなっているかなんてわかりません。世は文字通り「芸は身を助ける」時代です。安易に「とりあえず大学にいけ」なんて自分の時代の価値観で言っちゃいけないなと思いました。